少子化対策、ヨーロッパに学ぶ

日本の少子化は深刻な問題であり昨今の円安問題もその一つです。少子化が進むと労働力が減少し経済成長が停滞します。また、消費や投資が低迷し、日本経済の活力が失われることで円安が進行し国際競争力も低下する恐れがあります。ヨーロッパの幾つかの国では少子化を解決した事例があります。日本の少子化問題解決のヒントがそこにあるのではないでしょうか。

出生率（2021）産経新聞

フランスは出生率を1.8~2.0程度で維持していた時期も、その背景には手厚い家族政策の存在があります。具体的には、出産手当や育児手当の充実により経済的負担を軽減しているほか、幼児保育施設の整備を進めることで共働き家庭を支援しています。また、ワークライフバランスを重視した政策により、親が仕事と育児を両立しやすい環境を整えている点も大きな要因です。ただ2023年のデータだと1.68となった。日本の1.26と比べると以前として高い水準だかフランス国内では問題となっている。フランスもまた以前の政策プラスαで対策が必要なのかもしれない。

スウェーデンでは修正率が一時低下しましたが、1.7~1.8程度に回復しました。その理由として、父親にも育児休暇を義務つける制度の導入が挙げられます。さらに、両親合わせて480日間の育児休暇が認められ、高水準の所得保証があることも、育児への関心感を高める要因となっています。また、子育てに優しい社会インフラが整備されており、働きながら安心して子育てができる環境が出生率回復に寄与しています。こちらも最新のデータだと1.52と2020年以降減少傾向だがコロナの影響も考えられます。

・経済的支援だけでなく、子育ての負担を社会全体で分担する仕組みが成功の鍵

・男女平等、働きやすい環境、育児支援の充実が共通点として浮かび上がる

日本も児童手当や保育料無償化を進めているが、フランスのように出産手当、育児手当の充実や所得に応じた支援、低所得の家庭では無償で利用できる託児所など経済的負担を大幅に軽減している点が見習うべき点だと思います。最近では不妊治療に対する支援の充実。人口受精は6回まで、体外受精は4回まで保険が適用される。

保育所の不足解消や柔軟な保育サービスの導入具体的には生後2ヶ月から預けられる託児所や、働く親が安心して子育てできる環境の提供。スウェーデンのような「男子の育児参加」を促進する制度も鍵となる。

男女平等とはこういう時に使われべき言葉ではないだろうか。子育て家庭を支える文化を少しずつ作ることが不可欠。特に職場環境の改善。一部の大企業だけでなく中小企業でも育児休暇の取りやすくするなど改善が必要です。また地域コミュニティの支援が求められます。

フランスやスウェーデンの少子化対策の成功例は、日本が同じ課題に取り組む上で参考になります。日本でも少しずつ対策はしていますがさらなる経済的支援の拡充、育児環境の整備、そして社会全体の意識改革に注力すれば、出生率の回復は十分に可能だと思います。かつて日本では、一つの家庭だけでは生活を支えることが難しく、地域全体で協力して生活をなり立たせていました。こうした「支え合いの取り組み」を現代版にアップデートし、社会全体で子育てを支援する体制を構築することが、少子化問題の克服や持続可能な社会の現実につながります。問題解決には、国民全体がこの問題に向き合い、具体的な行動を起こすことが不可欠だと思っています。