はじめに:今のアメリカ市場は本当に「不況」なのか?
最近のアメリカ株の軟調や、トランプ政権の関税政策などによって「アメリカ経済がやばいんじゃないか?」と不安視する声が増えています。
一方で、「これはリーマンショックの再来なのか?」という疑問を持っている方も多いはず。
この記事では、2008年のリーマンショックと現在(2024〜2025年)の状況を比較しつつ、
株式市場の急落時に発動される「サーキットブレーカー」制度についても解説します。
リーマンショックと現在の市場の違いは「信用崩壊」かどうか
まず大きな違いは、リーマンショックは信用崩壊が原因だったということです。
【リーマンショック(2008年)】
• サブプライムローンの破綻をきっかけに金融機関同士の信用が失われ、大手銀行が次々に破綻
• 株式市場はパニック状態に陥り、1年間でNYダウは50%以上下落
• 実体経済にも波及し、世界中が長期不況に
【現在のアメリカ経済(2024〜2025年)】
主な問題はインフレ抑制のための高金利政策
• 関税などの政治的な動きで貿易や企業収益が不安定になっている
• 金融機関の信用危機は起きておらず、経済の土台は維持されている

つまり、現在は「崩壊」ではなく、成長の調整や減速が目的のフェーズだと考えられます。
「サーキットブレーカー」とは?暴落時の安全装置
株式市場が一気に暴落したときに、投資家のパニック売りを抑えるために設けられた制度が「サーキットブレーカー」です。
米国市場の発動条件(2024年現在):
• 7%下落:15分間の取引停止(第1段階)
• 13%下落:さらに15分停止(第2段階)
• 20%下落:その日の取引を終了(第3段階)
この制度が発動されるのは、市場が極端に不安定になった時。
リーマンショックでは何度も発動され、2020年のコロナショックでも数日連続で使われました。
現在のアメリカ市場では、まだサーキットブレーカーは一度も発動していません。
今の不況は「調整」。市場はまだ崩壊していない
ここで比較表をみてみましょう。

現時点での状況は、リーマンショックのような**壊滅的な金融崩壊ではなく、過熱しすぎた市場の“調整局面”**という見方が妥当です。
今後をどう見るか?投資家が意識すべきこと
現在のような市場環境では、「売られすぎの銘柄を拾えるタイミング」でもあります。
過去のデータを見ても、**暴落や調整局面のあとに資産を増やしたのは“継続して投資できた人”**でした。
とはいえ、サーキットブレーカーが発動されるような急落がないとは限りません。
常にリスク管理と資金分散を意識することが、今の局面ではとても大切です。
まとめ:今のアメリカ市場は“崩壊”ではなく“冷却”
リーマンショックと今を比べてみると、その違いは明らかです。
• 当時:信用崩壊 → 金融システム全体が麻痺
• 現在:インフレ対策・政策による調整
もちろん、先行きには不透明感もありますが、
サーキットブレーカーが発動していない今の状況は、まだ“冷静さ”が残っている証拠とも言えます。

※この記事は筆者の個人的な見解です。投資判断は自己責任で行ってください。
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