はじめに
ニュースで「円高が進んでいます」と聞くと、なんとなく「日本にとって良いこと」と思う人も多いかもしれません。しかし実際には、円高にもメリットとデメリットがあり、特に為替が急激に動くことは経済にとってリスクでもあります。
この記事では、「円高=良いこと」とは言い切れない理由や、為替の急変動がもたらす具体的な影響について解説します。
円高とは?円安との違い
まず、為替の基本から整理しましょう。
• 円高:1ドル=100円 → 90円になった場合、日本円の価値が高くなること
• 円安:1ドル=100円 → 110円になった場合、日本円の価値が下がること
円高のメリットとは?
1. 輸入が安くなる
海外からの商品や原材料を安く仕入れられるようになります。
→ 原油・小麦・スマホなど輸入品の価格が下がる=私たちの生活コストが抑えられる。
2. 海外旅行が安くなる
円の価値が上がるため、海外での買い物や滞在費が安く感じられる。
3. 外貨建て資産を安く買える
投資の観点では、米国株など外貨建ての資産を割安で買えるタイミングにも。
でも「円高=良いこと」じゃない理由
1. 輸出企業にとっては打撃
トヨタやソニーなど、日本を代表する輸出企業にとっては、円高は収益減につながる要因です。
なぜなら、海外で1,000ドルの商品を売っても、円高ではそのドルを円に戻したときの金額が少なくなるからです。
→ 円高=企業の利益が減る=株価にも影響
2. 景気に悪影響を与える可能性
日本の経済は輸出依存度が高いため、円高が長期化すると企業活動が鈍り、雇用や投資にもブレーキがかかることがあります
為替の急変動はなぜ危険?
ゆるやかな円高・円安は市場に織り込まれますが、短期間で急に10円以上動くような変動は、経済に大きなショックを与えることがあります。
具体的な悪影響:
• 企業の採算が急に崩れる(想定為替レートを外れる)
• 投資家がリスクオフ(円高)に走り、株式市場が不安定に
• 個人輸入・旅行・投資の計画も狂う
• 為替差損が企業決算を直撃する
最近の為替市場と投資へのヒント
2025年現在、日米の金利差やアメリカの関税政策、地政学的リスクなどによって為替は不安定な状況が続いています。
一時的に円高になっても、それが長く続くとは限らず、投資家としては為替リスクをしっかり意識して運用することが大切です。
まとめ
円高にも「良い面」と「悪い面」がある
「円高は良い」とも「悪い」とも一概には言えません。
立場や目的によって受ける影響は大きく異なります。
• 輸入や海外旅行を考える人にとっては円高はメリット
• 輸出企業や外貨で稼ぐ企業には円高はデメリット
• 為替の急変動は、誰にとってもリスクが大きい
だからこそ、個人の投資やライフスタイルにも、為替の動きへの関心は欠かせません。

※注意
このブログは筆者の個人的な見解を交えたものであり、投資判断は必ずご自身でリスクを理解した上で、自己責任で行ってください。
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